なんやらかんやら

うどん食いたい

今日読んだ論文とそのコメント 8/11分

自民党政治の終わり (ちくま新書)

自民党政治の終わり (ちくま新書)

 

今日は論文ではなく、新書を紹介しようかなと。

この著書は自民党研究の大御所の野中尚人先生が書かれた新書で、旧来の「自民党システム」がどのようにして変わったのか、ということを小沢一郎小泉純一郎の2人に焦点を当てて説明している。

僕の研究テーマは自民党が包括政党からイデオロギー政党へと移行しつつある、それは何故か?という研究テーマであり、この著書は大きな羅針盤となっている。というか、野中先生がこの本で書かれた以下の仮説を検証するのが僕の研究である。

今まで自民党は、利害を調整し、イデオロギー的な問題を先鋭化させることなく妥協によって政治を行なってきた。ところが、主張と主張が強くぶつかり合う強いリーダーシップの下では、敵対的なグループ化が進行する。小泉が郵政民営化を最後まで貫徹した結果、反対派は延々と抵抗を繰り広げた後、最後は国会で造反し、結局は自民党から追い出された。自民党型の包括政党は、単に有権者のレベルだけではなく、国会議員集団の組織的原理としても包摂を旨とし、仲間を排除しないことが暗黙のルールであった。しかし、小泉改革はそれも壊したのである  同書106頁より引用

 

敵対的なグループ化は、イデオロギーによるグループ化へと進みやすい。論争に勝ち抜くための理論武装が必要になるからである。従来の自民党にも、イデオロギー的なグループが全くなかったわけではない。しかし、小泉政権下で進行した事態は別の次元である。つまり、本格的なイデオロギー派閥の登場に近いのである。例えば安倍晋三麻生太郎中川昭一らのグループは、外交・歴史認識問題などを中心として右派的な考え方を共有している。現状では派閥ではないものの将来の総選挙で一定の役割を果たすことになるとすればそれは大きな変化である  同書106Pより引用

 本書が書かれたのは2008年であり、まだ政権交代前であるが、現在の自民党に通じるものがあると思う。

自民党の意思決定、政策決定がどのようなものであったか、というのを知るにあたって新書ということもあり、わかりやすくなっている。Amazonの中古でタダ同然の値段やブックオフで105円で買えると思うので、是非興味がある人は購入して読んで貰いたい。

今日はなんやかんやで忙しかったので、簡単だけどこれで。

明日は海に行きますので、お休みさせてもらいます。